【「なんで有期雇用なん!?」学習会】「そのサイン、ホンマに同意なん!?――最新の最高裁判決から考える非正規労働者のためのサバイバル術」

【「なんで有期雇用なん!?」学習会】
そのサイン、ホンマに同意なん!?
――最新の最高裁判決から考える非正規労働者のためのサバイバル術


■日時
2016年6月18日(土)14:00-16:30(開場13:30)
*学習会の後、懇親会を予定しています。

■会場
PLP会館
(大阪市北区天神橋3丁目9-27)
|地下鉄堺筋線扇町駅4番出口より徒歩3分
|JR天満駅改札より南側へ徒歩5分

■講演
中島光孝弁護士(大阪労働者弁護団)
「2016.2.19山梨県民信用組合事件・最高裁判決から学ぶ」

■各現場での争議・活動の紹介/アピール
ハローワーク雇い止め裁判原告、他

●資料代 300円
主催:「大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会」実行委員会(なんなん)
…… 関西単一労働組合 大阪大学分会 / 関西圏大学非常勤講師組合/ アルバイト・派遣・パート非正規等労働組合(あぱけん神戸) /関西非正規等労働組合 ユニオンぼちぼち / 京都精華大学 ユニオンSocoSoco / なんで有期雇用なん!? ネットワーク 龍大支部
  • ブログ http://nandenan0227.blogspot.jp/
  • ツイッター @nannan_kansai
  • メール nandenan0227@gmail.com

「なんで有期雇用なん!?
そもそも、有期雇用自体がおかしいんちゃう!?」


――そんな思いから私たち大学非正規労働者が初めて集会を開いたのは2010年のこと。それからの6年は毎年集会を開いてきました。この間、自らの雇い止めを闘った私たちの仲間のほとんどが、無念にもそれぞれの職場を追われることとなりました。働き続けることを拒む有期雇用という制度は、労働運動を続けるということ、同じ境遇の仲間同士で繋がるということをも困難にしているのです。この状況を変えようと、2014年11月、関単労阪大分会・石橋組合員は解雇を阻止するために地位確認訴訟を起こし、現在も解雇の不当性を訴え続けています。
 2016年2月、山梨県民信用組合事件に関わり最高裁にて画期的な判決が出ました。これまで労働者も「合意済み」とされてきた使用者側の主張に、クエスチョンを投げかけるものです。選択肢のない契約書を前に有期雇用も「合意済み」ということにされてきた私たちに、今回の判決はどんな影響を与えるのでしょうか? 石橋組合員の代理人を務める中島弁護士に、判決について解説していただきます。大学非正規労働者に限らず、今の労働条件に納得なんてしていないという人は多いはず。契約書にサインしたからとあきらめてしまう前に、どうすれば打開できるか、この学習会で共に考えてみませんか?

報告と御礼

2015年2月28日(土)に開催しました、第6回「なんで有期雇用なん!?」集会「つなげよう、首を!part.2――極悪大学・阪大を告発する」(於:大阪大学豊中キャンパス)は、60名の方々にご来場いただき、熱気にあふれたすばらしい集会となりました。集会後のデモと交流会にも大勢のかたが参加してくださいました。参加されたみなさま、 メッセージを送ってくださったみなさま、本当にありがとうございました!

集会の詳細は、追って簡単な報告集([参考]→第5回集会の「ぷちレポート」)を作成するなどして記録に残し、広く知ってもらえるようにしたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

第6回「なんで有期雇用なん!?」集会:集会アピール文

【第6回「なんで有期雇用なん!?」集会】
つなげよう、首を! part.2――極悪大学・阪大を告発する

◆集会アピール文
2015年2月28日

 私達は2010年以来、大学有期雇用労働者の使い捨て問題に抗して、「なんで有期雇用なん!?」集会を様々な大学で開催してきました。今回は、2013年第4回集会(「つなげよう、首を!――3年&5年の壁をぶち壊せ!」)以来2度目の大阪大学での開催になりますが、それは、この問題が最も激烈な形で噴出しているのが阪大だからです。その典型が、石橋さん達2004年の国立大学法人化以前から勤務する長期非常勤職員の問題です。他の国立大学法人が労働条件の一方的不利益変更を避けるため法人化前からの長期非常勤職員の契約更新に上限を付けなかったにもかかわらず、阪大だけが2009年10月26日付「特例職員制度導入に伴う今後の雇用について」文書で、「特例職員」以外の長期非常勤職員の2015年3月末大量雇い止めを強行します。更に阪大は、非常勤職員の賃金に交通費を含めることで大多数が女性である非常勤職員のワーキングプア化・女性の貧困化を促進し、また、労働契約法第18条に定める、5年を超えて契約更新する有期雇用労働者への「無期雇用契約への転換申込権」を3年・5年等の契約更新上限を付けることで剥奪しています。
 非常勤講師(及びティーチングアシスタント(TA)・リサーチアシスタント(RA)・アルバイト)に対しても、管轄省庁の文科省が2004年3月15日付「法人化後の非常勤講師の給与について」通知で法人化後の非常勤講師にはパートタイム労働法が適用されるとしているにもかかわらず、阪大は「準委任契約」という詭弁によって有期雇用労働者の身分を否認しています。更に他の有期雇用教職員の「無期雇用契約への転換申込権」も、研究開発力強化法の「労働契約法の特例」を悪用した契約更新10年上限の就業規則で奪いました。
 阪大の専任教職員に対しては、学校教育法及び国立大学法人法の改悪を利用して「大阪大学部局長選考規程」を定めて教授会から権限を剥奪し、阪大総長が意のままに部局長を選べる制度にすることで、教授会自治の伝統を破壊しています。
 最後に、阪大の教職員と学生に対しては、2017年4月からの3学期制導入を現場の教員および学生の意見も聞かず一方的に決めることで、有期雇用教職員の労働条件の切り下げだけでなく、教育の断片化・劣化を推し進め、学内の民主主義を根底から破壊しています。
 私達は、阪大の各組合の団体交渉等に加えて、関西圏大学非常勤講師組合の大阪地検への労基法第90条違反の刑事告訴や石橋さんの「将来の地位確認裁判」等、様々な形で阪大への闘争を続けてきました。阪大が先導する有期雇用教職員の使い捨ては他の大学にも拡がることは必至です。私達大学有期雇用労働者は、その存在を決して認知されることのない透明人間・機械の歯車として扱われてきました。その私達が様々な大学の様々な立場の労働者や学生と連帯し、阪大の中で阪大に抗してこの集会を開催しました。今ここから、有期雇用労働者の使い捨てへの闘争・抵抗が更に拡がることを、心から願ってやみません。

「大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会」実行委員会

集会へのメッセージ(首都圏大学非常勤講師組合委員長 松村比奈子さん)

■第6回 なんで有期雇用なん!?集会に寄せて
首都圏大学非常勤講師組合委員長 松村比奈子

 「第6回なんで有期雇用なん!?集会」にご来場・ご参加の皆さま。本日の盛会を心よりお祈り申し上げます。そして首都圏大学非常勤講師組合より、共感と共闘のエールを送ります。ここ数年の日本の労働環境においては、アメリカを席巻する新自由主義と安倍政権によって、日本国憲法が保障するはずの勤労の権利どころか、個人の尊重も公共の福祉ももはや完全に形骸化しています。民主主義の発展ではなく後退の危機です。
 唐突ですが皆さま、「北斗の拳」という1980年代に発表された漫画をご存知でしょうか。私はおよそ20年間、大学で日本国憲法の講座を担当してきましたが、今の日本は、まさにあの漫画が描く荒廃した時代です。弱肉強食が支配するその階級社会で、主人公ケンシロウは人間の尊厳と正義を追い求めるのですが、それはちょうど、私達労働組合の立場と重なります。日本国憲法はしょせん「絵に描いた餅」であり、それを実現する戦いと努力なしには達成できないものだということを、私はこの漫画やニュースを紹介しながら学生に教えています。ますます私有財産の権力と欲望にまみれつつある現代に、正義は本当に実現可能なのか?ここに集う皆さまひとりひとりが、現代のケンシロウです。
 およそ2年ほど前、当組合は早稲田大学を刑事告発・告訴し、世間の注目を集めました。当時、それは「窮鼠猫を噛む」という扱われ方でしたが、今思えば、あれは教育研究者の総奴隷化に対抗するための、重要なターニングポイントでした。それまで静観していた当事者たち自身が立ち上がるきっかけになり、他大学の盲目的追従もやみました。それはおそらく全国的な傾向でしょう。また関西圏大学非常勤講師組合委員長の新屋敷健氏の奮闘により、さらに国際社会においても日本の労働問題が注目され、有期雇用の在り方全般について、政府はもはや内密に事を進めることはできなくなりました。
 今、安倍政権はなりふり構わずむき出しの支配欲で労働者を使い捨てる法改正を繰り返しています。しかしそのせいで、当組合には多くの組合員が加入し現在は460名を超え、今も拡大し続けています。また注目のおかげで、団交を申し入れるだけで騒動がおさまる事例もでてきました。社会を変えるのは、結局のところ法律の条文ではなく人間の意欲と活動です。そして活動の成否には参加者の数が重要です。それを当組合は痛感しています。ですから今こそ組合をアピールし、労働者の階級化に反撃するチャンスです。全国で活動する様々な組織の皆さまが、この集会につどうことで、積極的に情報交換しながら、人間らしい生活を求めて戦う意欲を新たにされることを願ってやみません。本当に大事なのは私達ひとりひとりの熱意です。皆さま、一緒に頑張りましょう!
平成27年2月28日

【第6回「なんで有期雇用なん!?」集会】つなげよう、首を!part.2――極悪大学・阪大を告発する

【第6回「なんで有期雇用なん!?」集会】
つなげよう、首を!part.2
――極悪大学・阪大を告発する

(チラシ[PDF]のダウンロードは→こちら

日時:2015年2月28日(土)13:00開場/13:30開会/17:00終了
会場:大阪大学豊中キャンパス 全学教育管理・講義A棟201
資料代:300円(+カンパ歓迎)

■講演:脇田 滋さん(龍谷大学法学部教授)
■座談会:「阪大最前線物語」(阪大で闘っている人たちの声)
■大阪大学の非常勤職員の雇用期限撤廃に向けたアンケート調査報告
■各大学での争議・活動の紹介/アピール
 第6回を迎える《なんで有期雇用なん!?集会》は、2013年の第4回(「つなげよう、首を!――3年&5年の壁をぶち壊せ!」)以来、2度目の大阪大学での開催となります。
 大阪大学では、長期非常勤職員の大量解雇が2015年3月末に迫っています。これを阻止する流れを強めていくためにも、今回の集会で多くの当事者の方々と状況を共有し、闘いの軸を定めていく必要があります。加えて、非常勤講師の処遇の問題も、依然として大きな懸案です。
 多くの大学に内在している非正規労働者の問題が、もっとも顕著に・露骨に表れているのが大阪大学です。よって、阪大における争議の成否は、多くの大学における労働政策に影響を及ぼすでしょう。
 大学を越えて、立場・身分を越えて、働く者の力を結集することで、困難な状況を変えていかなければなりません。みなさま、ぜひ大阪大学にご参集ください。
★集会終了後は、17:40に阪大坂下に集合し、阪急石橋駅周辺を40分ほどデモ行進します。その後18:30頃より、石橋駅近くの〈琉球居酒屋 赤瓦〉(Tel.072-761-0104)にて交流会を行ないます(食事代1500円+ドリンク代実費)。お時間の許すかたはデモ・交流会にもぜひご参加ください。

【主催】「大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会」実行委員会
【呼びかけ団体】京都大学時間雇用職員組合 ユニオンエクスタシー / 関西単一労働組合 大阪大学分会 / 関西非正規等労働組合 ユニオンぼちぼち / 京都精華大学 ユニオンSocoSoco / 関西圏大学非常勤講師組合 / アルバイト・派遣・パート非正規等労働組合(あぱけん神戸) / なんで有期雇用なん!?ネットワーク 龍大支部 [2015年2月22日現在]

「ぷちレポート」No.3を刊行しました

2014年2月15日(土)に開催された第5回なんなん集会の報告集である、「ぷちレポート」No.3を刊行しました。

◆「大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会」実行委員会編 2014/12/20 「なんで有期雇用なん!? 第5回:じぇじぇじぇ、今度は10年!!――なんで雇用に上限つけるの?」(ぷちレポート No.3),「大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会」実行委員会,4p.


【目次】
p.1|大阪の中心部でアピールしたぞ!! なんなん5th報告
p.2|労契法をめぐる首都圏大学非常勤講師組合の現状
p.3|シンポジウム:大学の変質――法人化10年の闇を暴く
p.4|極悪大学阪大との闘い(大阪大学刑事告訴の現状と「2017年3学期制導入」問題 / 2015年3月末解雇阻止の闘い)

★ダウンロードは→【こちら】から(PDF)

今回も、小冊子ながら読み応えのある内容に仕上がりました。
ぜひご一覧ください。

第5回「なんで有期雇用なん!?」集会:集会アピール文

【第5回「なんで有期雇用なん!?」集会】
じぇじぇじぇ、今度は10年!!――なんで雇用に上限つけるの?

◆集会アピール文:「辞める辞めないは労働者の自由」

2014年2月15日

 私たちは2010年から5回にわたり、この「なんで有期雇用なん!?」集会を開催し、仕事があるのに「契約満了」を理由に雇い止めされることの理不尽さや、そのように平気で人を使い捨てにする大学の姿勢に対して異議申し立てを行なってきました。この間、私たちの労働環境は、悪化の一途をたどっています。派遣の無期限化、限定正社員、解雇特区など、雇用の規制緩和が国策として推進され、「5年を超えたら無期雇用に転換する」という改正労働契約法の原則も、5年を10年に先延ばしする「研究開発力強化法」の成立によってなしくずしにされました。現在は研究者に限られているこの10年への延長も、すべての非正規労働者に拡大されようとしています。

 大学における有期雇用は、非常勤の教職員のみならず、助教や准教授にまで広がっています。細切れの雇用形態がトレンドとして全面化し、いまや大学は、私企業の論理が貫徹する場所となっています。学長選挙の廃止など大学自治は脅かされ、学生は就職プレッシャーに押し潰され、もはや大学は、人を育てる場所でも、腰をすえて何かをやる場所でもなくなってしまいました。つい昨年、東北大学が「ブラック企業大賞」にノミネートされたのは記憶に新しいところです。

 また大学が、女性差別の温床であるという事態も、何ら変わっていません。大学の非常勤職員のほとんどは女性であり、「家計補助的労働」の名のもとに、長年にわたって不当に低い待遇を押しつけられてきました。現在、ほとんどの大学は「男女共同参画」を高らかにうたっていますが、その施策の対象はほぼ女性研究者に限定されたものであり、大学カーストの底辺に置かれた女性の非常勤職員については一顧だにしていません(むろん、女性研究者の状況が改善されたわけでもなく、同じく底辺に置かれたままです)。また、これに抵抗するはずの労働組合も、多くは常勤の男性が中心となって運営されているのが現状です。

 しかし、このような状況の中でも、約1000人の雇用上限撤廃を実現した徳島大学の運動は、画期的なものでした。特に、正規と非正規との分断を乗り越えて、共に闘うことで得た成果は、私たちに大きな勇気を与えてくれました。私たち「なんなん」グループの闘いにより、龍谷大学でも有期雇用を廃止しようという動きが出てきています。大学から有期雇用をなくすことは、決して無理な夢物語ではないのです。

 言うまでもなく、雇用契約は無期が原則であり、本来、働き続けることも、辞めることも、労働者の自由であるはずです。なぜなら、働くことは憲法によって私たちに保障された権利であるからです。この権利が一方的に踏みにじられ、奪われることに、私たちは強く抗議します。

 「あきらめる前に、大学の枠を超えて連帯しよう」を合言葉に、私たちは今年もまたこうして集い、共に力を合わせて闘うことの意義を再確認しました。この異議申し立ての声が一人でも多くの人に届き、やがては大きな運動の力となることを、心から願ってやみません。

「大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会」実行委員会