阪大の未払い賃金問題

■元教授、元研究員の女性に“ただ働き”要求 阪大が賃金未払い300万円
 (2011.10.25 09:16 MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111025/crm11102509230006-n1.htm
(【写真】「お給料を教室費にバックする件について」と題したメール。平成21年5月7日に元教授側から女性に送られた(一部画像を処理しています))
 大阪大大学院医学系研究科の森本兼曩(かねひさ)元教授(65)=詐欺容疑で書類送検=による不正経理事件に絡み、元教授の研究室に在籍していた元研究員の女性(53)に対し、阪大が賃金の一部を支払っていなかったことが24日、わかった。元教授側が“ただ働き”同然の勤務を要求していたといい、女性は「働いた分の賃金をもらえず労働基準法違反にあたる」として茨木労働基準監督署(大阪府茨木市)に申告。阪大は今月中旬、未払い賃金として約300万円を女性に支払った。
 関係者によると女性は平成19年4月~22年3月、森本元教授の研究室で、研究室が受託した研究を手伝うなどの非常勤の「特任研究員」として勤務。元教授側が決めた時給などの労働条件で、阪大と一定期間ごとに雇用契約を結んでいた。
 当初、女性の雇用契約は週20~24時間程度勤務する内容だったが、元教授側から契約上の勤務時間を減らすようたびたび要求され、業務内容は変わらないのに、20年8月から段階的に減少。21年6月から22年3月の間は週2~3時間だけの契約となっていた。
 実際には女性は元教授側から従来通りの勤務を要求され、多い時には週5日、1日10時間以上働くこともあったが、賃金は契約通りの週2~3時間分しか支給されなかったという。
 女性は退職後の今年6月、時間外勤務として未払い賃金を支払うよう阪大に請求。阪大が「給与は問題なく支払われている」などとして応じなかったため、7月に労基署に相談した。
 阪大は、労基署から事情聴取を受けた後、女性が保管していた勤務記録などをもとに未払い賃金を約300万円と算定し、10月に全額を女性に支払った。
 女性には、21年5月以前も同様の未払い賃金があったが、労働基準法で時効となっており、請求はしていないという。▲

■阪大元教授の補助金不正使用:元特任研究員への未払い賃金支払う /大阪
 (2011年10月26日『毎日新聞』地方版)
http://mainichi.jp/area/osaka/news/20111026ddlk27040340000c.html
 ◇教授研究室に勤務
 不正経理で解雇された大阪大大学院医学系研究科の元教授(65)=詐欺容疑で書類送検=の研究室に勤務していた元特任研究員の女性(53)に対し、阪大が今月中旬、未払い賃金300万円を支払っていたことがわかった。女性が茨木労働基準監督署に相談して、研究室の勤務簿とは別に、本人が勤務状況のメモをつけており、大学側は未払いを認めた。
 阪大によると、女性は07年4月、特任研究員として大学に採用され、同研究室で週20時間勤務していた。その後勤務実態はほとんど変わらなかったが、09年6月以降の雇用契約が、週2、3時間勤務に変わっており、賃金は実態を無視して減らされていた。
 労基署は7月、阪大に調査をするよう指導。阪大が女性や同僚に聞き取りを実施して未払い賃金があることがわかった。【熊谷豪】▲

金城学院大・名城大の非常勤講師問題

■提訴:契約打ち切りや授業時間短縮 非常勤講師ら、2大学を /愛知
 (2011年10月22日『毎日新聞』地方版)
http://mainichi.jp/area/aichi/news/20111022ddlk23040206000c.html
 不当に非常勤講師の契約を打ち切られたり担当する授業の時間を減らされたとして、元金城学院大英語講師の斉藤直美さん(64)と、名城大英語講師の加藤治子さん(42)が21日、それぞれの大学に地位確認や100万~200万円の慰謝料などを求め、名古屋地裁に提訴した。
 訴状によると、斉藤さんは05年から金城学院大に勤務して契約を毎年更新していたが、10年7月、大学側から11年度は契約を更新しないと伝えられた。理由は「シラバス変更のため」「学生アンケートの評価が低い」と二転三転し、詳しい説明は無かったという。
 加藤さんは08年から名城大に勤務し、10年度は週10コマを担当。だが10年12月、11年度からは4コマに減らすと通告され、交渉を経て現在は平均週6コマになっている。
 斉藤さんは「大学は不当な理由を次々に持ち出し、納得できない」、加藤さんは「他にも授業を減らされた非常勤講師がいる。立場が弱く声を上げる人は少ないが、許せない」とそれぞれ話した。
 両大学はそれぞれ、「今はコメントできない」などとしている。【岡大介】▲

阪大外国語学部の非常勤講師問題

■外国語学部の非常勤講師3年でゼロ 阪大、リストラ提案
 (2011年10月25日 asahi.com)
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201110250043.html
 4年前に大阪外国語大学が統合されてできた大阪大学外国語学部で、教育担当理事から、同学部の非常勤講師を3年でゼロにするリストラの提案が出された。講師が担ってきた年間900コマ以上の授業がなくなることになり、教職員組合は「教育の質が維持できない」と反発を強めている。
 大阪大の東島清副学長兼理事が19日に提案した。外国語学部は、モンゴル語やインドネシア語など25の専攻語を使ってその国の歴史や文化を学べるのが特色で、そのほとんどと英語の授業を非常勤講師が担い、今年度は915コマの授業を行ってきた。だが大阪大は2004年の法人化以降、一般教養に当たる全学共通教育科目以外では原則として非常勤講師は雇用していないことから、「基準にならい、非常勤講師は3年をめどにゼロにしたい」と提案した。
 これに対し、教職員組合は24日、「外国語学部は各言語10~40人の少人数編成で、非常勤講師なしでは運営できない」などとする抗議声明を出した。削減計画を知った学生にも動揺が広がる。1年の女子学生は「マイナーな言語をしっかり学べる大学は全国にもほとんどない。非常勤講師の持つ少人数の授業がなくなれば、ここを受験した意味がなくなってしまう」と心配する。▲

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■阪大外国語学部、非常勤講師ゼロ案を取り下げ24%削減
 (2011年10月26日 asahi.com)
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201110260012.html
 学部独自で雇用する場合を除き、大阪大が外国語学部の非常勤講師を3年間でゼロにするリストラ提案をした問題で25日、教育担当の東島清理事と高階美行・外国語学部長が話し合い、外国語学部側が提案した、4年間で24%削減する案で合意した。非常勤講師の受け持つ授業は、現在の年915コマが2015年度に年701コマになる見込みという。
 リストラを提案した東島理事は、「どうしても必要な科目を残したいという説明を受けて、教育の質を低下させてはいけないと判断した」と話している。▲