〈北大職組〉からの賛同メッセージ


 北海道大学に関わる非正規雇用の問題では、この間2つの裁判がたたかわれています。一つは、雇い止め時に雇用者である北大に義務づけられている離職証明書の発行が遅れに遅れたために、とうとう失業給付を受けられなかった方が損害賠償と慰謝料を求めて訴えていた訴訟です。2010年3月末の雇い止めに伴って起きた一件で、原告は2010年9月30日、札幌地裁に提訴しました。
 札幌地裁は2011年6月30日に、北大が離職証明書を発行しなくとも原告が失業給付を受けることは可能であったとして、請求を棄却するとんでもない判決を出しました。原告代理人弁護士の話によると、一審判決が請求棄却の理由とした根拠は、雇用者(北大)が倒産したような事例が該当し、今回の一件にはおよそ当てはまりません。このデタラメな判決を受けて、一番びっくりしたのは北大側だったと思われます。もちろん原告は到底納得できず、即座に控訴し、舞台は札幌高裁に移りました。ところが高裁では2011年12月7日の第一回公判の冒頭から、裁判所が職権で和解手続きに入ることを指示しました。高裁としても、一審判決の内容がひどすぎると判断したのでしょう。そして2012年2月17日、原告の事実上勝利の内容で和解が成立しました。
 この和解を受けて北大は早速2月20日、学内に「年度末における雇用保険被保険者離職証明書の作成等について」という通知を出し、離職証明書の発行が遅れて新たな被害を発生させないように、との態度を示しました。
 もう一つは、2011年3月末で雇い止めになった措置の撤回を求める裁判です。北大に通算8年以上働いた小池晶(こいけあきら)さんが、その雇い止めを不服として同年6月3日、札幌地裁に提訴しました。小池さんも、小池さんが所属していた研究室も雇用の延長を望んでいたにもかかわらず、北大は3年期限の就業規則を盾に雇い止めを強行しました。この裁判はいま、訴訟進行の中間地点を折り返したところです。小池さんは、実名を出して裁判に関する運動を進めています。私たちはいま、小池さんの職場復帰を求める公正裁判要求署名を10,000筆集めようと、署名活動に取り組み始めました。皆様にも、署名にご協力頂ければ幸いです。
 非正規雇用は全国、全業種にはびこる日本の社会問題となっています。大学にまでこのような問題が広がっているのは憂うべきことですが、この問題をまず大学から解決し、日本社会を覆っている不安を一掃していくことが大学の本来的な役割ではないでしょうか。そのことが、大学の教育・研究の推進にとっても大きなプラスになるのは間違いありません。私たちも皆さんと力を合わせ、世論を動かして行きたいと思っております。集会へは参加できませんが、北の大地から集会の成功をお祈り致します。
2012年2月22日
北海道大学教職員組合 非正規雇用職員部会

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