「大学非正規労働実態調査報告会」(2012/03/23 高槻)

以下のような企画が行なわれるようです。
関西圏のかたにはおすすめです。


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■大学非正規労働実態調査報告会
 ――大学の貧困+女性の貧困を語り合う夜
京都大学文学研究科グローバルCOEプログラム「親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点」次世代研究ユニット「大学非常勤職員のワークライフバランスについての研究」報告
2012年3月23日(金)18:30~
於:カフェコモンズ(大阪府高槻市)
カンパ制
★詳細→http://thirdfemi.exblog.jp/17242615/

集会で採択されたアピール文

■「なんで有期雇用なん!?」the 3rd@京都精華大 アピール
2012.2.25
 私たちは、今日、この場に集まりました。

 それは第一に、ここ京都精華大学でいま現在、雇い止め解雇と闘っている私たちの仲間――労働運動と「豚汁」との出会いを史上初めて実現し、数々の多彩なイベントを打ち、多くの学生たちから支援を受けながら、類まれなるクールな労働運動を展開してきたユニオンSocoSocoの皆さん――を全力で支援するためです。

 そして第二に、昨年の集会の会場であった龍谷大学において雇い止め解雇され、長く苦しい闘争の末についに職場復帰を成し遂げた、嶋田ミカさんの勝利和解をともに祝福し、そのよろこびを皆で分かち合うためです。

 第三に、大学ばかりでなく、いまや全国のあらゆる職場で採用され、私たち非正規で働く者を苦しめている雇用年限、すなわち「3年の壁」「5年の壁」をぶち壊し、やがて来たるべき「非正規労働者の乱」を準備するためです。

 今こそ連帯して「NO!」の声を上げる時です。

 そもそも、「ユニオン」の語源は「1つになること」です。つまり、集まることです。古風な言葉でいえば「団結」です。ひとりひとりでは決して出来ないことが、「集まる」ことによって可能になる、と私たちは信じています。おかしいことに対して「おかしい!」と声を上げた者が今こうして結集することにより、ひとつの大きな力を得ることができる、と私たちは信じています。

 私たちは、今日この場で、以下の原則をともに確認し、ここに宣言したいと思います。

 すなわち、労働契約は無期が原則であること。有期雇用は、合理的な理由のある場合に限って例外的に許されるべきであること。有期雇用は「解雇付き雇用」に他ならず、「くび」になることを前提とした雇用形態であり、働く者の尊厳を奪うものであるということ。

 この3月末に、「契約期間満了」を理由として全国で行われようとしている大量の雇い止め解雇を私たちは許さないということ。「納得して契約したんだろう」という決まり文句で不当に押しつけられている不安定な身分を、決して許さないということ。

 いま国会で審議されようとしている労働契約法改正案が、「5年でくび」の法制化にほかならず、私たちにとって何のメリットもないということ。出口規制ではなく、入口規制こそが必要であること。そしてそのような有期雇用の規制は、均等待遇の実現、差別禁止の規定とともになされなければ意味がないということ。

 非正規労働者がとりわけ女性に集中し、女性の貧困問題を生み出していること。夫に扶養されることを前提に、「パート労働」「家計補助的労働」として長い間、不当に安く賃金を抑えられてきたこと。しかもそれが見えなくされてきたということ。

 そして「同一労働同一賃金」こそが原則に他ならないこと。正規職員と変わらぬ仕事をしているのであれば、それと変わらぬ賃金を支払うべきであること。いわれのない格差や差別は、なくすべきものであること。

 そもそも「大学」という人を育てる場で、人を使い捨てること自体が矛盾しているということ。労働者を部品のように扱い、雇用の調整弁とみなす人権無視が大学という場で堂々とまかり通っているのは、どう考えてもおかしいということ。

 全労働者の35%、全国1733万人の非正規労働者がおかれた状況、「日本の常識は世界の非常識」といわれるこのおかしな現状を、今ここから変えなければいけないということ。

 「あきらめる前に、大学の枠をこえて連帯しよう」を合い言葉に、今後も私たちは、非正規雇用がなくなるその日まで、現場での闘いを続けていくということ。以上です。

 最後に、私たちは呼びかけます。

 「有期雇用をなくそう!」

「大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会」実行委員会

集会での上映作品『私に賞味期限はありません!』と大椿さんからのメッセージ


集会で上映した、大椿裕子さん作の3分ビデオ『私に賞味期限はありません!』です。
2011年12月4日、《レイバーフェスタ2011》で上映された作品です。

以下、作者の大椿さんからのメッセージです。

■第3回「なんで有期雇用なん!?」集会にお集まりのみなさんへ

 2010年3月末、4年間勤務した関西学院大学を、有期雇用であることを理由に雇い止め解雇になった大椿裕子(おおつばきゆうこ)です。初回から実行委員として参加していたこの集会に、今回は参加することが出来ず、その代わりに私が初めて作った、拙い映像作品をみなさんに見ていただきました。
 「私に賞味期限はありません」というタイトルは、関学との団体交渉の中で、繰り返し感じてきた私の思いです。「なぜ、この業務が有期雇用でなければならないのか」というこちらの問いに対し、彼らは「新しい考え方、新しい知識、技術をもった人を4年ごとに入れ替えるのが関学の重要な人事政策である」と言い続けました。「あなたの能力は4年も経てば枯渇する」そう言われているようでした。経験を重ねることによって、より質の高い仕事が出来るようになるという可能性について考えることは、彼らには許されなかったのです。絶対に、考えてはいけなかったのです。
 38歳になり、私が抱える現実や思いとは別のところで、一方的にリミットを設けられていることの多さに気づきました。労働者としてだけではなく、女として、子どもを産む性として、私ではない誰かが、私の賞味期限を勝手に決めるのです。そして、私自身も次第にそこに絡め取られていくのです。「まったく、余計なお世話だわっ」、そんな思いでこの作品を作りました。
 2009年2月から始まった私の争議も、3年を迎えました。雇い止め解雇になり2年が経とうとしています。2010年3月に大阪府労働委員会に申し立てた不当労働行為救済申立は、2011年5月に全面棄却となりました。「組合加入前から、4年で雇い止めになることは決まっていた。学院はそれに対する十分な説明はしてきた」と府労委は学院側の主張を全面的に認めました。しかし「法人側の規定・労働契約及び人事政策等の合理性の有無はともかくとして」という表現を3度に渡り使用し、法人側に問題があったことを臭わせながらも、法人の規定・労働契約・人事政策等が、不当労働行為とどう関係しているのかという点については調査を避け、判断しませんでした。
 その後、中央労働委員会に再審査申立を行い、先日2月21日、私の証人尋問を行い結審しました。4月初旬、最終陳述書を提出し、約3ヶ月後には命令が出ると思われます。中労委第1回調査の時、労働者委員からこう言われました。「僕の経験から言って、この手の事件は新幹線代の方がもったいない」と。つまり、勝ち目はないから、早く結審して、あなたは証人尋問で言いたいことだけ言って、いい条件で金銭和解した方がいいよと言いたいのだなとわかりました。屈辱的でした。労働者を救済する場である中央労働委員会で、労働者委員によって、そのようなはなからやる気のない戯言を聞かされたのです。もちろん、証人尋問の場でその発言について触れ、「あなたたちの中に、有期雇用に勝ち目はないという前提がないか?その思考停止を自分に許さないでほしい。司法も、労働委員会も契約ありきで、その先にある不当労働行為性については踏み込まないようにしている。一歩踏み出す勇気を持ってほしい。そして、あなたたちのプライドをかけて審査し、その結果を命令として私に突きつけてください」と伝えてきました。
 今、国は、有期雇用法制について議論し、「5年以上勤務した者は、本人の希望があれば無期雇用にする」という法案を立法化しようとしています。有期雇用を経験したあなたならわかるでしょ? この法案が、はしにも棒にも引っかからない法案であることを。しかも「本人の希望があれば無期雇用」という、どこまでも上から目線。この法案をこのまま通してはいけません。
 非正規の数は、いまや35%。もう3分の1以上を占めているのです。立ち上がりましょう! 私たち非正規が立ち上がり、横に手をつなぎましょう。今の社会は、私たち非正規に依存して成り立っているのです。私たちが本気でストライキを起こせば、この社会は止まります! それくらい力があるのです。私たちの存在と、私たちが持つ力を信じましょう!
大椿 裕子

第3回なんなん集会は盛会のうちに終了しました!

本日の集会《「なんで有期雇用なん!?」the 3rd@京都精華大 ~3年の壁をぶち壊す非正規労働者の乱~》、ならびにその後のデモ・交流会は、いずれも、ぎっしりと凝縮された熱意と、たくさんの笑いと、ちょっとの涙のもと、無事終了しました。終わってみたら、あっというまの一日でした。

模擬団交では、本気で白熱。怒りと笑いがぶつかりあいました。
ゲストの方々ならびに塩見弁護士からは、本当に貴重な歴史と、複雑で深刻な現状と、闘いの道筋を提示していただきました。
百万遍の交差点に「なんで有期雇用なん!?」のコールが響きました。
交流会では、すばらしい手作り料理を囲んで、歌声と手拍子がわき起こりました。
本当に濃かった、そして楽しかった。
「やってよかった」、スタッフはみんなそう思っています。
ご参加いただいた方々が「来てよかった」と思ってくれていることを切に願います。

改めまして、本集会・デモ・交流会にご参加いただきましたみなさま、ご協力いただきましたみなさまに、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
今回の報告は、もう少し時間をいただいたうえで、必ず目に見えるかたちにして発表したいと思いますので、どうぞご期待ください。
今後もこのブログで当会に関係する情報を発信していきますので、ぜひ定期的に覗いていただければと思います。
よろしくお願いいたします。

脇田滋さんからの集会へのメッセージ


 本日の集会には参加して、法案の動き、韓国最高裁の有期雇用をめぐって不当な契約更新を無効とした判決の内容を紹介したかったのですが、体調不全で参加できず申し訳ありません。
 有期雇用をめぐっては、昨年末の政府案への動きが具体化しつつあります。内容はきわめて不十分ですが、皆さんの取り組みなど、有期雇用の弊害を訴えてきた多くの声を、政府も反映せざるを得なくなったものと思います。できれば、EU指令や韓国法水準の規制内容を盛り込むべきだと思います。
 そして、「非正規労働者の権利実現会議」は、4月21日(土)午後、龍谷大学ともいき荘(京都御所西側)で、この有期雇用問題をテーマに、全国集会を開催します。
 有期雇用の原則禁止、均等待遇実現に向けて大いに議論できればと思っています。
 多くの皆さんに、京都市内で開かれる、この集会に参加していただきますようにお願いします。
2012年2月25日
脇田 滋(龍谷大学)

デモのチラシ

直前になってしまいましたが、デモのチラシができました。
[こちら]からダウンロードできます。

水月昭道さんからのメッセージ


 高学歴ワーキングプア問題は、当事者が声をあげないと何も変わらない。でも、あげれば確かに何かが変わる。そんなことを嶋田ミカさんは教えてくれました。皆さんの活動に注目しています。『高学歴ワーキングプア』著者。

赤羽佳世子さんからの賛同メッセージ


 法律は私たちが使えるものにはなりそうにないのですが、あきらめないで有期雇用の理不尽さを当事者の声で広げていきましょう。
赤羽佳世子

森石香織さんからの賛同メッセージ


 有期雇用を考える集会、参加できず残念です。
 私は大阪市民ですが、市長が変わっていやな噂というか今の過酷な制度をもっと改悪する動きについて聞くたびにどうしたもんかと頭が痛いです。
 市長は公務員をバッシングするのが大好きですが、公務員バッシングを聞くにつけ、そのシステムを切り下げるのではなく働いている人みんなが公務員並みの保障を受けれるようにやっていけないのかなと思います。
 そういう動きをつくることと、この「なんで有期雇用なん?!」の取り組みはつながっていると思います。おつかれさまです。
森石 香織(女のおしゃべり会)

竹中恵美子さんからの賛同メッセージ


 この度の嶋田ミカさんの和解勝訴、当然すぎることとはいえ、本当によかったですね。この和解勝訴は、同じ苦境の中で、闘っておられる方々へどれだけ大きな励ましになったか知れないと思います。つね日頃、“継続は力なり”をモットーとしてきた私ですが、その力は、まさに当事者と支援する人々との固い絆によって可能になるものだと痛感しました。
 有期雇用問題は、いま日本の労働問題の最たるものです。厳しい状況にあると思いますが、及ばずながら、私も運動する皆さんとともにありたいと思います。ぜひ頑張ってくださるよう、お伝えください。
竹中 恵美子(大阪市立大学名誉教授)

〈なにわユニオン〉からの賛同メッセージ


「なんで有期雇用なん!?」。
有期労働契約に対する根本的な問いかけですね。
嶋田ミカさんの勇気ある職場復帰を心から応援するとともに、争議現場において本集会を開催される当該労働者に敬意を表します。
そもそも、雇い主は、「非正規」労働者に対して、その雇用に期限を定めた理由を説明できるでしょうか。
有期雇用とは、使用者にとって何とも都合のよい制度です。
正社員と同じ仕事と責任を負わせても、賃金は少なくてすむ。
何かあった時に、有無を言わせず職場から排除できる。
労働者は、雇用不安があるので、強く物を言うことが出来ない。
こうした労働者の使い捨ては職場を荒廃させ、上司と部下、または同僚同士の人間関係を悪化させ、職場内でのいじめ・嫌がらせを蔓延させていくだけです。
昨今では、有期労働契約の期間もどんどん短くなっています。
職場では2~3ヶ月といった契約期間が常態化しています。
しかし、こんな短い契約でも、期間途中の解雇が横行しています。
日々の労働相談を受けながら、暗澹たる気持ちになってしまいます。
国会や厚生労働省では、有期労働契約法制の制定をはじめ、労働者派遣法やパート労働法の改正も議論されています。
私も、派遣法の抜本改正をめざして取り組んできました。
しかしながら、労働者の権利を確立する法改正が達成できず、運動をしっかり広げられずに、忸怩たる想いを抱えています。
皆さまの取り組みが、多くの労働者の支えとなることを願っています。
また、皆さまの力強い声を、大学だけでなく、あらゆる職場まで届けて下さい。
労働組合なにわユニオン・書記長
中村 研

〈北大職組〉からの賛同メッセージ


 北海道大学に関わる非正規雇用の問題では、この間2つの裁判がたたかわれています。一つは、雇い止め時に雇用者である北大に義務づけられている離職証明書の発行が遅れに遅れたために、とうとう失業給付を受けられなかった方が損害賠償と慰謝料を求めて訴えていた訴訟です。2010年3月末の雇い止めに伴って起きた一件で、原告は2010年9月30日、札幌地裁に提訴しました。
 札幌地裁は2011年6月30日に、北大が離職証明書を発行しなくとも原告が失業給付を受けることは可能であったとして、請求を棄却するとんでもない判決を出しました。原告代理人弁護士の話によると、一審判決が請求棄却の理由とした根拠は、雇用者(北大)が倒産したような事例が該当し、今回の一件にはおよそ当てはまりません。このデタラメな判決を受けて、一番びっくりしたのは北大側だったと思われます。もちろん原告は到底納得できず、即座に控訴し、舞台は札幌高裁に移りました。ところが高裁では2011年12月7日の第一回公判の冒頭から、裁判所が職権で和解手続きに入ることを指示しました。高裁としても、一審判決の内容がひどすぎると判断したのでしょう。そして2012年2月17日、原告の事実上勝利の内容で和解が成立しました。
 この和解を受けて北大は早速2月20日、学内に「年度末における雇用保険被保険者離職証明書の作成等について」という通知を出し、離職証明書の発行が遅れて新たな被害を発生させないように、との態度を示しました。
 もう一つは、2011年3月末で雇い止めになった措置の撤回を求める裁判です。北大に通算8年以上働いた小池晶(こいけあきら)さんが、その雇い止めを不服として同年6月3日、札幌地裁に提訴しました。小池さんも、小池さんが所属していた研究室も雇用の延長を望んでいたにもかかわらず、北大は3年期限の就業規則を盾に雇い止めを強行しました。この裁判はいま、訴訟進行の中間地点を折り返したところです。小池さんは、実名を出して裁判に関する運動を進めています。私たちはいま、小池さんの職場復帰を求める公正裁判要求署名を10,000筆集めようと、署名活動に取り組み始めました。皆様にも、署名にご協力頂ければ幸いです。
 非正規雇用は全国、全業種にはびこる日本の社会問題となっています。大学にまでこのような問題が広がっているのは憂うべきことですが、この問題をまず大学から解決し、日本社会を覆っている不安を一掃していくことが大学の本来的な役割ではないでしょうか。そのことが、大学の教育・研究の推進にとっても大きなプラスになるのは間違いありません。私たちも皆さんと力を合わせ、世論を動かして行きたいと思っております。集会へは参加できませんが、北の大地から集会の成功をお祈り致します。
2012年2月22日
北海道大学教職員組合 非正規雇用職員部会

「厚生年金:非正規労働者へ適用拡大、経済界反発で慎重論」

■厚生年金:非正規労働者へ適用拡大、経済界反発で慎重論 対象縮小や法案見送りも
 (2012年2月22日『毎日新聞』東京朝刊)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120222ddm005010062000c.html
 税と社会保障の一体改革案の目玉の一つ、短時間労働者への厚生年金、健康保険の適用拡大を巡り、民主党政権内で慎重論が強まっている。非正規雇用労働者の待遇改善策に掲げながら、保険料負担の増える経済界が反発するや一転、党幹部らがたじろぎ始めたからだ。拡大対象の縮小や、今国会への関連法案提出見送りを迫られる可能性も出てきた。【山田夢留、鈴木直】
 21日午後。民主党厚生労働部門会議座長の長妻昭元厚生労働相らは適用拡大に消極的な同党の前原誠司政調会長と国会内で会談。しかし、「一体改革に盛り込まれているのに政調会長が否定的なことは言わないでください」と求める出席者に前原氏は「慎重に判断しないといけない」と述べるにとどめた。
 現在、週の労働時間が約30時間未満の人は事業主も保険料を払う厚生年金や企業健保に入れず、全額自己負担で給付も不利な国民年金、国民健康保険(国保)に加入している人が多い。そこで政府は一体改革で加入要件を「週20時間以上」に広げ、正社員と非正規の格差是正を図る方針を打ち出した。
 厚労省は「従業員301人以上の企業で働く年収80万円以上」の人約100万人を加入させたうえで、段階的に基準をなくし対象を約370万人に広げる意向だ。だが、この案だと企業負担は最終的に5400億円増える。パートの多い流通、小売業界などが同党に反対の陳情攻勢をかけ始め、経済産業省も後押しに乗り出した。
 その結果、今度は党側もぐらつきだした。前原氏は20日の役員会でも消極的な姿勢を示したほか、樽床伸二幹事長代行も推進派議員に慎重な対応を求めている。一方、推進派も業界の説得に動かず、16、17日に慌てて業界団体を訪れたのが実情。厚労省は企業への財政支援なども模索するが、これには財務省が警戒を強めている。経済界の不興を買い、肝心の消費増税に影響したらまずい、との考えもあり、今や推進派は厚労省と一部関係議員、という四面楚歌(しめんそか)の状況になりつつある。
 「非正規労働者のバックアップは必要だ」。小宮山洋子厚労相は21日の記者会見で改めて適用拡大に意欲を示した。それでも孤立感は否めず、民主党の推進派議員は「全国民を一つの年金制度に一元化する」とした新年金制度案に触れ「非正規労働者を入れることすらできないなら言い訳が立たない」とこぼす。▲

〈龍谷大学教職員組合〉からの賛同メッセージ


 本日、集会にご参加の皆さまに連帯のメッセージをお送りします。
 わたしたち龍谷大学教職員組合は、組合員である嶋田ミカさんの「雇い止め」裁判を支援してきました。また、龍谷大学に働く非常勤講師や非専任職員の労働条件の改善をめざしても取り組んでおります。本日は、大学における非正規労働者の問題について、活発な意見交換がされ、本集会が実りある成果をあげられますことを祈念いたしております。
龍谷大学教職員組合

「北大雇い止め訴訟:北大が20万円支払いで和解」

■北大雇い止め訴訟:北大が20万円支払いで和解
 (2012年2月18日『毎日新聞』北海道版)
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20120218ddlk01040248000c.html
 雇い止めされた際に離職証明書をすぐに交付してもらえず、失業保険を受け取れなかったとして、札幌市東区の女性(30)が北海道大学に約68万円の損害賠償などを求めた訴訟は17日、札幌高裁で和解が成立した。北大が責任を認め、和解金20万円を支払うとの内容。記者会見した女性は「北大が非を認め、きちんとした額を支払ってもらえることに納得している」と話した。
 訴状によると、女性は10年3月まで6年間、研究施設に契約職員として勤務。1審・札幌地裁は「手続きを踏めば、自らハローワークで離職証明書を得ることができた」として原告側の請求を棄却した。代理人の佐藤博文弁護士は記者会見で「制度上は可能だが、就労確認作業などが煩雑で誰の利益にもならないことは明白。実質勝訴の和解だ」と話した。【去石信一】▲

cf. ◇北大職組

デモについて

集会後のデモに参加されるかたは、
◆17:30 叡山電鉄出町柳駅前(タクシーのりば付近)集合
ということでお願いいたします。

デモは、
17:40 叡山電鉄出町柳駅前出発
| 南東に斜めに下る細い道を進む
| (〈京都田中郵便局〉前通過)
| (〈スポーツクラブヘミング出町〉
↓  前通過)
百万遍交差点
↓ 東大路通を南下
東山東一条交差点
↓ 東一条通を東へ
京都大学正門前解散
です。

*その後、18:30より、京都大学構内「文学部学生控室」で交流会を行ないます(参加費:1000円+カンパ|軽食・飲み物あり)。こちらもぜひご参加ください。

〈京都放送労働組合〉からの賛同メッセージ


非正規労働者集会のご盛会を祝します。
京都放送労働組合

cf. ◇京都放送労組 100人の雇い止め撤回!(2011年12月8日|民放労連)
  ◇6人が直接雇用 KBS労組(2007年3月17日|全国青年大集会ブログ)

中村和雄さんからの賛同メッセージ


 非正規雇用の使い捨てをなくし、みんなが働きがいのある社会を実現するために、一緒に運動していきましょう。
中村 和雄(弁護士)

見よわれらなんなん集会の旗


集会の旗(実行委の手作り)ができました。ぜひ集会会場に見に来てください。

塩見弁護士からの賛同メッセージ


 今、有期労働契約法制については、労政審建議も上がり、いよいよ法案要綱も上がろうかという状態になっています。
 労政審建議は、雇止め制限法理の明文化や、一応有期雇用の出口規制による無期化を制度化しようとしている点は評価できますが、そもそも正当理由のない有期労働契約を制限する入口規制を放棄したり、出口規制にクーリング期間を設けるなど、非常に問題が多いものとなっています。
 これからしばらくが、より良い有期労働契約規制を実現するための正念場だと思います。
 集会を成功させ、有期雇用労働者の声を法改正に反映させるよう頑張って下さい。
塩見 卓也(弁護士)

*塩見弁護士には、集会のなかで有期労働法制の現状について解説していただきます。

〈あぱけん〉勝訴の報道

■神戸刑務所の偽装請負訴訟:「国の団交拒否、違法」 地裁、賠償命令
 (2012年1月19日『毎日新聞』大阪朝刊)
http://mainichi.jp/kansai/news/20120119ddn041040008000c.html
 神戸刑務所(兵庫県明石市)で偽装請負状態で働かされた末に契約を解除され、加盟労組の団体交渉も拒否されたとして、同市の管理栄養士の女性(48)と労組「アルバイト・派遣・パート関西労働組合」が計880万円の損害賠償を求めた国賠訴訟で、神戸地裁は18日、「団交拒否は労働組合法に違反する」として、国に対し、労組に33万円を支払うよう命じる判決を言い渡した。矢尾和子裁判長は「偽装請負はあった」と認定したが、「労働基準法などには違反していない」として女性の賠償請求は棄却した。
 原告側弁護士は「国による団交拒否の違法性や偽装請負の事実を認定した画期的な司法判断だ」としている。
 判決によると、女性は神戸刑務所と業務委託契約を結んだ東京都の人材派遣会社に所属し、07年4月から管理栄養士として勤務。しかし、実際には刑務所職員から直接指示を受けたり、勤務時間を管理されるなど、業務委託を装った派遣(偽装請負)だった。
 刑務所側は同年8月、指示を巡るトラブルなどから派遣会社に女性の交代を要求し、女性は退職に追い込まれた。加盟労組が同10月から刑務所に経緯説明や職場復帰などを求めて団交を行ったが、刑務所側が3回目以降の団交を拒否した。
 同刑務所の田貝元樹総務部長は「判決を精査して適切に対応したい」とコメントした。【渡辺暢】▲

cf. ◇はけん・パート関西 神戸Office

〈荒川区職員労働組合〉からの賛同メッセージ

■集会へのメッセージ
 現在、労働政策審議会の建議をうけ、政府は「有期契約労働」法制の改定作業を進めています。政労審での審議や建議では、いわゆる「入口」、つまりどういう形で雇うのかという最も重要な点について、恒常的継続的な仕事には常勤労働者をあてることが原則とされていません。
 そのうえで、5年という有期年限および半年間の空白期間を置くことができるようにされています。
 これまで、非正規公務員や大学非常勤職員が、雇用年限という年限解雇と闘ってきたこと、その壁が極めて高いことを考えるとき、これらの動向が、どういった影響をもたらすのかを強く危惧しています。ぜひ、法案の動きに対応した運動を進めましょう。
 また、京大や龍谷大などみなさんのこの間の取り組みが、全国の非正規労働者に対して、強くアピールしていることを感じています。
 何かあれば声をあげること、行動に出ることなく、問題の解決はないのですが、日本では「要求する」ことが素直に共感、支持されるような社会環境にはなっていません。
 ハシモトのように、労働運動の成果を「既得権益」と決めつけ、その「恩恵」(成果を共に得る)によくさない人びとの不満を煽り、運動を解体しようとしている動きは、これからも続くと思います。
 運動の側も、自らの「成果」だけを守るのではなく、社会全体の矛盾にきちんと向き合い、その取り組みを進め、社会的連帯を少しでも獲得している努力と運動の発展的な転換が求められています。
 そのためにも、職場の実態や取り組みの双方向の交流、ネットワークの形成が必要と思います。
 集会の成功を祈念しています。
2012年2月25日
荒川区職員労働組合(白石孝)
cf. ◇「官製ワーキングプア」とたたかう荒川区職労!
  ◇なくそう官製ワーキングプア

「厚生年金パート加入緩和 調整難航」

■厚生年金パート加入緩和 調整難航
 (2012年2月17日5時12分 NHKニュース)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120217/t10013083831000.html
政府は、社会保障と税の一体改革に伴い、パートなどの非正規労働者を支援するため、保険料の半分を企業が負担する厚生年金などに加入できる条件を緩和する方針ですが、保険料の負担が増える企業側は懸念を強めており、来月の法案提出に向けた調整は難航することが予想されます。
政府は、増加しているパートなどの非正規労働者の処遇を改善するため、保険料の半分を企業が負担する厚生年金と勤め先の健康保険に加入できる条件を緩和する方針で、厚生労働省は、民主党と調整しながら具体的な条件を検討しています。
こうしたなか、16日、この問題を検討している民主党の作業チームの幹部が、経団連や日本商工会議所の担当者と会談しましたが、経済団体からは、「消費税率の引き上げと重なると、特に中小企業の経営は苦しくなる」、「年金制度の抜本改革とあわせて行うべきだ」などという厳しい意見が出されました。
厚生労働省は、まずは厚生年金などに加入する非正規労働者を100万人程度増やしたうえで、370万人程度まで拡大させたいとしていますが、これに伴う企業側の保険料の負担増は、およそ5400億円に上るとみられることから、急激に負担が増えないよう段階的に加入を拡大するなどの配慮を行うことで、理解を得たい考えです。ただ、企業側は新たな負担に懸念を強めており、来月中旬の法案提出に向けた調整は、難航することが予想されます。▲

「女性積極登用 4割切る」(石川県)

■女性積極登用 4割切る
(2012年2月17日『読売新聞』〔地域>石川〕)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20120217-OYT8T00079.htm
◆事業所調査「取り組む予定ない」22%
 県内の事業所で、女性を積極的に登用する「ポジティブ・アクション」(積極的改善措置)の取り組みが進んでいるのは39・3%だったことが、県男女共同参画課が実施したアンケート結果からわかった。「取り組む予定はない」との回答も22・0%に上った。アンケートは昨年8月、県内の2000事業所を対象に、女性の登用状況などについて調査。832事業所(回収率41・6%)から回答を得た。
 管理職全体に占める女性の割合は16・3%にとどまった。女性管理職が少ない理由として、「必要とする経験・判断力等を持った女性がいない」(52・2%)が最も多く、「管理職に就くための在職期間を満たしている女性がいない」(24・4%)、「管理職に就くまでに退職してしまう女性が多い」(15・9%)が続いた。
 一方、ポジティブ・アクションを進める事業所は、「女性従業員の労働意欲が高まった」(50・2%)、「職場が活性化された」(34・3%)、「良い人材を採用しやすくなった」(24・8%)などのプラス面を挙げた。
 セクハラ(性的嫌がらせ)防止対策については、「就業規則等の書面で明確に示している」との回答が41・0%を占める一方、「特に対策をとっていない」とする事業所も41・6%に上った。▲

「男女同待遇へ法の充実を ILO、日本に勧告」

■<はたらく>男女同待遇へ法の充実を ILO、日本に勧告
 (2012年2月17日『東京新聞』[暮らし])
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2012021702000132.html
 仕事の価値が同じなら男女で同じ賃金がもらえる「同一価値労働同一賃金の原則」を定めた国際条約について、国際労働機関(ILO)は昨年十一月、日本政府に対し、法律の規定が不十分だと勧告した。性別や仕事の種類に関係なく、客観的に労働の価値を評価しないことが問題視された。 (稲熊美樹)
 「裁判では負けたが勧告で主張が認められ、悔しさが晴れる思い。この勧告を活用していきたい」。八日、東京都内で開かれたILOの勧告について報告する集会で、個人加盟の労働組合「商社ウィメンズユニオン」委員長の逆井(さかい)征子さん(68)は語った。
 総合商社で長年勤め、八年前に定年退職した逆井さんは、現役時代の一九九五年、女性の同僚五人と会社を訴えた。男女のコース別人事で一般職とされ、同じような職務内容の男女で大きな賃金格差があるのは違法だと主張した。
 二〇〇八年の控訴審判決で、東京高裁は六人中四人について「経験を積んで専門知識を持ち、男性社員と同じ困難度の職務をしていた」と違法性を認定。しかし、提訴当時、秘書だった逆井さんについては「専門性が必要な職務ではなかった」などと訴えを退けた。二十八年以上携わった営業職についての評価はなかった。
 ILOの一〇〇号条約は「同じ価値の労働に対しては、性別による区別をせず、同等の報酬を与えなければならない」と定めている。政府は一九六七年に批准し、労働基準法四条で「女性であることを理由として賃金について男性と差別的取り扱いをしてはならない」と規定。八五年制定の男女雇用均等法でも、性別を理由に差別的取り扱いを禁じている。
     ◇
 商社ウィメンズユニオンや全石油昭和シェル労働組合など三労組は〇九年、男女の賃金格差の是正を求めてそれぞれ提訴。一部は勝訴したが、満足できる判決内容ではなく、三つの判決が一〇〇号条約に違反しているとILOに申し立てた。
 受理したILOは、日本政府に見解を回答させて審理。政府は、労基法と均等法で一〇〇号条約の規定を実現できていると主張した。
 これに対し、昨年十一月のILOの勧告では、労基法と均等法について「同一価値労働に対する男女同一報酬原則の概念が条文に含まれていない」などと、条約の理念を完全には反映していないと判断した。
 ILO駐日事務所は「勧告はあくまで自主的に従ってほしいという要望だが、政府は来年までに勧告に対する回答をしなければならない」とする。厚生労働省は「条約に違反はしていないという指摘だと受け止めている。ただ、男女の賃金格差があることは確か。啓発を続け、均等法の見直しも含めて検討したい」としている。
 早稲田大大学院法務研究科の浅倉むつ子教授(労働法)は「裁判や労基署の指導では、職務や職種、雇用管理区分ではなく、労働の価値で比較されなければならない」と、職務評価の必要性をあらためて強調。均等法と労基法の規定の不備を指摘し、同一価値労働同一賃金の概念を盛り込む法改正を提案する。
◆女性給与、男性の7割
 男女雇用均等法の施行から26年がたつものの、男女の賃金格差が解消されたとは言い難い。
 厚労省の調査によると、賃金格差は均等法施行後、縮小傾向にあるものの、依然、女性は男性の7割程度。2010年は、09年に比べて0.5ポイント格差が拡大し、後退した=グラフ。勤続年数や管理職比率の違いが格差の主な要因だ。
 同省の研究会は「配置や昇進、人事評価の基準があいまいで制度の整備が不十分。仕事と家庭との両立が困難な働き方を前提とした制度設計で、採用や配置で男女差が生まれ、賃金格差につながっている」と分析する。
 <同一価値労働同一賃金の原則> 男女、正規と非正規の間の賃金格差を解消し、働きに見合った公正な処遇をする原則。客観的に職務評価をするため「知識・技能」「責任」「負担」「労働環境」の四要素から点数を算出し、職種や雇用管理区分を超えて比較する。▲

〈嶋田ミカさんの雇用継続を求める会〉からの賛同メッセージ

■なんなん集会賛同メッセージ
 昨年、嶋田ミカさんの雇用継続を求める集会のときも、高校無償化の朝鮮学校はずし、の件で京都に出向けませんでした。今なお問題は解決しておらず、今春の卒業生もまた就学支援金を手にすることなく卒業することになるかもしれません。昨日も、国会で「卒業までに!朝鮮学校に高校無償化実現を!!2.14院内集会」を開いたところです。
 新自由主義のもと「有期雇用」が一般化され、今や大学をも浸食しているようです。大学では、教授会が大きな権限を持っているが、「有期雇用」問題について、その権限が適切に行使されているかどうか心配なところがあります。
 良識ある研究者が、問題解決の筋道をたて、社会への肯定的なメッセージを発する必要があります。集会に集まられた若手研究者の皆さんが、相互に連帯をはかり、その気概と責務を共有し、その役割を果たされるよう期待します。

〈京滋私大教連〉からの集会賛同メッセージ

■2.25「なんで有期雇用なん!?」the 3rd@京都精華大への連帯メッセージ
 本日の集会参加の皆さんご苦労様です。日本の雇用構造は90年代後半から劇的に変化し、膨大な構造的非正規雇用労働者群が形成され、2000年に小泉内閣が発足して以降、その動きは急速に拡大しました。現在の非正規労働者数は1700万人(2010年度)にのぼっており、その割合は全労働者の34%を占めるまでになっています。東日本大震災前後から雇用・失業情勢に改善の兆しはなく、非正規雇用労働者は増大する一途です。大学の職場でも、様々な名称の非正規雇用教職員の方々が数多く働いておられます。
 私たちは、そうした方々の雇用・労働条件のあり様を改めて考え、その処遇改善に向けた取り組みを一層進めていく必要があると考えます。非正規雇用労働者は、民間企業のみならず大学においても「基幹戦力」となっており、有期雇用労働者を雇用できなくなった場合、「事業が成り立たなくなる」とする企業は8割近くにもなっています。実際、非正規雇用労働者の4割が週35時間以上の就労状況にあり、正規労働者と遜色ない働き方をしているのが実情です。その一方、受け取る賃金は男性の非正規労働者の3割、女性の非正規労働者の5割以上が年収200万円以下という厳しい状況の下に置かれています。中堅の働き手が多い契約社員や派遣社員の中には、正社員として働きたいと考えている労働者も数多くおられる中で、非正規の正規化は急務の課題です。
 本日集会に参加されている皆さんをはじめ多くの労働者と連帯し、非正規をなくす運動を進めることができれば幸いです。ともに頑張りましょう!
2012年2月25日
京滋私大教連書記長 佐々江洋志

「女性労組がピンチ 雇用悪化、組合費払えない」

■女性労組がピンチ 雇用悪化、組合費払えない
 (2012/02/13『47NEWS』[ウーマンアイ])
http://www.47news.jp/feature/woman/womaneye/2012/02/post_20120213202343.html
(写真:女性ユニオン東京の事務所に一人で詰める=2011年12月、東京都渋谷区)
 働く女性の権利を守ってきた東京の女性労働組合が、活動休止の瀬戸際に立たされている。雇用悪化が東日本大震災の後さらに深刻になり、収入が減った女性たちが組合費を払えなくなっているためだ。収入の低い女性が財政難の組合を支える構造は他の女性労組も同じ。「労組の助けが必要な女性が増えているのに、応えられない」という訴えは深刻だ。
 女性による女性のための労組として1995年に発足した「女性ユニオン東京」。これまでに1万件以上の相談を受け、千回を超す団体交渉をこなしてきたが、2008年のリーマン・ショック以降、組合員がピーク時の約半分の130人に減った。収入が少なく月2千円の組合費を減免されている女性もいるため、活動を支えるのは実質100人ほどだ。
 失業中で、ユニオンの仕事をボランティアで手伝っている30代の女性組合員は「駆け込み寺的存在のユニオンがなくなると困る。会社の扱いは不当なのか、自分はどんな状況に置かれているのかを理解するにも組合が必要。一人ではとても闘えない」と話す。
 活動費不足などから、専従は現在、藤井豊味書記長ただ一人。電話で相談を受けている最中に、別の相談電話が鳴っても出られない。ボランティアに頼れる期間もあとわずかだ。
 藤井さんは「震災で雇用悪化が加速し、転職したくても我慢する女性が増えた。その結果、退職に追い込むための職場いじめやセクハラが陰湿化している。組合が最も必要な時期に、活動の継続が難しくなっているのがもどかしい」と語る。
 他の女性ユニオンも状況は似ている。北海道ウイメンズ・ユニオン(札幌市)も専従の人件費が出せない状態。「組合費が払えない、自分の問題が解決したので、とやめていく女性も多い」と小山洋子委員長。
 だが女性労組の存在意義は大きいと小山さんは強調する。「企業の労組は基本的に正社員、男性中心で、女性や非正規社員のためにという発想はない。セクハラの加害者が組合員だと、動いてくれないこともある」
 女性ユニオン名古屋(名古屋市)も、事務費が底をつき、活動に必要な交通費にも事欠くことがある。最近では、業績悪化のため会社から解決金を取れない事例も。
 女性たちに個人で加盟できる労組を紹介してきた「働く女性の全国センター」(東京)の伊藤みどり共同代表によると、女性労組に限らず、個人加盟の労組を組合費だけで運営するのは難しい。
 伊藤さんは「以前は解決金の一部を労組に寄付する人もいたが、今は無理だ。貧乏人が貧乏な組合を支えている。非正規雇用が増えて個人が孤立し、組合活動をしようとすると雇用を切られかねない。大企業の労組から個人加盟労組への、金銭面も含めた応援が欲しい」と訴えている。
2012/02/13【共同通信】▲

「「解雇」なのに「自己都合」扱い 失業給付が大幅カット」

■<はたらく>「解雇」なのに「自己都合」扱い 失業給付が大幅カット
 (2012年2月10日『東京新聞』[暮らし])
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2012021002000070.html
 自己都合の退職かどうかをめぐるトラブルが後を絶たない。自己都合だと、雇用保険の失業給付が大幅にカットされるからだ。中部地方の元地方公務員の男性は、自己都合かどうかで自治体側と争い、申請が遅れたため全期間分もらえず、二重の減額となった。退職の際は、離職理由の確認を忘れないようにしたい。 (稲田雅文)
 「事実上の解雇だったと思う」。中部地方の自治体で再任用職員として勤め、二〇一〇年三月に退職した六十代の男性は言う。
 〇九年三月に定年退職し、〇九年度は一年契約で働いた。一〇年度も契約更新を望んでいたが、一〇年二月、胆石の手術を受けた際、医師から「がん細胞が見つかった。検査したい」と告げられた。
 うろたえた男性は年度末で最も忙しい時期と分かっていたが、三月下旬に検査を予約した。翌日、上司に半日休暇を申し出ると「検査を延期するか、辞めてください」と言われたという。不本意だったが、退職手続きを進めた。
     ◇
 雇用保険の失業給付を受けるためには、事業主が発行する「離職票」がいる。男性は、退職後に届いた離職票を見て驚いた。離職理由が自己都合とされていた。その上、離職者がこの理由への異議の有無を書く欄には、勝手に「なし」とされ、別人の筆跡で自分の名前が署名され、印鑑まで押されていた。
 違法行為ではないかと感じ、離職票が証拠になると思って手元に保存したため、失業給付の申請手続きが遅れた。結局、八カ月後に申請し、自己都合として百五十日間の給付が認められた。しかし、失業給付が受けられるのは、退職の翌日から一年間という決まりがあるため、期限切れで四十八日分の給付が受けられなかった。もし、会社都合の離職だった場合、この男性の年齢と在職年数では二百四十日間の給付が認められ、退職後間もなく支給が開始されるため、離職理由による差は大きい=図。
 この自治体は取材に対し「離職を強制した事実はない」とし、署名押印をしたのは「ハローワークへの提出期限が迫り、失業給付金の受給に支障が生じないよう、署名の代行をした」と説明する。
     ◇
 「失業給付の受給が遅れないようにと、担当者が悪気なく事後承諾で署名を代行してしまったのだろうが、やってはいけないこと。このケースの場合は、職場にいるうちに本人に署名してもらうべきだったのでは」と話すのは愛知県社会保険労務士会の担当者。「事業主との交渉が嫌なら、ハローワークで事情を説明すれば、救済される場合もある」と速やかな相談を勧める。
 実態は会社都合の離職でも、書類で自己都合とされてしまうケースは多い。公的な補助金を受ける民間の事業主の場合、会社都合の離職者がないことが条件とされるためだ。
 書類上で自己都合となっていても、ハローワークで雇用保険の「特定受給資格者」や「特定理由離職者」と認定されれば、会社都合と同じ給付金がもらえる。セクハラやパワハラを受けたり、「君のポストはない」などと間接的に退職勧奨を受けて辞める状況に追い込まれたりした人が特定受給資格者。非正規労働者の雇い止めのほか、病気や介護、育児などによる離職が特定理由離職者だ。
 「何よりも離職票の離職理由をしっかり確認することが泣き寝入りしないためにも大切」と呼び掛ける。
 離職票と離職理由 雇用保険の申請に必要になる書類で、退職後、会社からもらう。退職に至った経緯が記され、ハローワークが解雇など事業主側の原因で退職する「会社都合」か、労働者の意思で辞める「自己都合」かを審査する。自己都合の場合、退職から3カ月間、失業給付金が出ないほか、会社都合に比べて給付日数が少なくなり、額が大幅に少なくなる。▲

毎日新聞の集会告知記事(2月7日付)

■集会:非常勤職員の雇用問題考える――25日、京都精華大
 (2012年2月7日『毎日新聞』京都版)
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20120207ddlk26040587000c.html
 大学で働く非常勤職員の不安定な雇用問題について考えようと、非常勤職員らが個人加盟する労働組合などが25日午後1時から、京都精華大学(京都市左京区)明窓館で、集会「なんで有期雇用なん!?」を開く。
 集会では、龍谷大の教員助手で、いったん雇い止めになったが、昨年12月に民事訴訟で和解して復職が決まった嶋田ミカさんが参加。この間の経緯を説明する。また労組の組合員が「模擬団体交渉」を開き、雇い止めにされた際の主張方法を実演する。
 呼びかけ団体「ユニオンエクスタシー」の井上昌哉代表世話人は「大学で働く非常勤職員の状況は悪くなる一方。連帯してノーの声を上げたい」と話している。参加費は資料代など500円。問い合わせは(nandenan0227@gmail.com)。【日野行介】▲

「「有期労働契約」を規制へ 「不安定改善に疑問」」

■<はたらく>「有期労働契約」を規制へ 「不安定改善に疑問」
 (2012年2月3日『東京新聞』[暮らし])
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2012020302000101.html
 契約社員や派遣社員など、数カ月~数年単位で契約を結ぶ「有期労働契約」の規制を検討していた厚生労働省は、開会中の通常国会に労働契約法改正案の提出を目指している。契約の更新を繰り返し、同じ職場で雇える期間を五年にすることが柱。非正規労働者らからは「十分な規制とはいえない」との声が上がっている。 (稲田雅文)
 「同じ仕事をさせるのに、雇い止めができるという理由で、有期の職員を雇うのはおかしい」。法テラス奈良法律事務所(奈良市)で、弁護士の補助業務を担う非常勤職員の三十代女性は訴える。
 女性は二〇〇八年十二月に非常勤で採用され、この三月末で雇い止めになる。常勤職員の産休で、一年だけ常勤の待遇になったことがある。
 必要書類の作成や無料法律相談の取り次ぎなど、仕事の内容は変わらないのに、賃金は大きく違った。常勤待遇時の年収は四百十一万円だったが、非常勤だと二百六十一万円しかない。
 疑問を感じて昨年四月、「日本司法支援センター」(法テラス)に対し、常勤職員との賃金の差額の支払いを求め、奈良地裁に提訴した。「ほそぼそとでもいいから、安定的に暮らせる雇用と社会保障制度にしてほしい」と求める。
     ◇
 厚労省の推計では、一〇年の有期労働者は千二百万人で、全労働者の四分の一を占める。現在は一回の契約期間の上限を原則三年とする規制はあるが、短期の契約を繰り返し、同じ職場で使い続けることに対する規制はない。同省の実態調査では一一年七月時点で従業員の契約を十一回以上更新している事業所が、全体の18・9%も占めた。
 ルールづくりのため、厚労省の労働政策審議会労働条件分科会が一〇年十月に議論を始めた。昨年十二月、利用可能期間の上限を五年とする建議を小宮山洋子厚労相に提出。現在、同省が法案化を進めている。
 建議の内容に対し、日本労働弁護団幹事長の水口洋介弁護士は「不安定な労働条件を抜本的に変えるには不十分」と批判する。
 弁護団の想定では、新しい規制が導入され、契約の更新が五年に達した有期労働者に考えられるのは四ケース=図。まずは、五年を超えた六年目に申し出て無期雇用に転換されるAさんの場合。次に、そのまま有期契約の継続を望むBさんの場合だ。
 建議では、Cさんのケースのように、五年を迎えても契約しない期間が六カ月あれば再び有期雇用できる「クーリング期間」の導入も求めた。これに対し水口さんは「再雇用の必要があれば、無期で雇えば良いだけ」と“抜け道”を批判する。
 Dさんのように、規制を理由に仕事を失わないよう、雇い止めをした場合は、同じ仕事場で同じ業務に当たる有期労働者の新たな雇用を禁止するよう求める。水口さんは「そもそも五年という期間が長すぎ、三年にすべきだ」とも考える。
     ◇
 市民団体「均等待遇アクション21」(東京都)事務局の市川若子さんは、賃金などの労働条件の改善策がほとんど審議されなかったのが不満だ。建議では、有期労働者に対する不合理な処遇の解消も盛り込まれたが、「実効性に乏しい。政府が具体策を率先して指導しなければ、不合理な待遇の解消は実現しない」と指摘する。
 大阪市立大の西谷敏名誉教授(労働法)は「数カ月の契約を繰り返す細切れ雇用などをなくすためにも、有期労働契約の利用は、合理的な理由がある場合に限るべきだ」と“入り口”の規制の必要性を訴えている。
 建議の主な内容 有期労働契約が5年を超え反復更新された場合、労働者の申し出で期間の定めのない労働契約に転換させる仕組みの導入▽更新を繰り返し、期間終了後も雇用が続くと有期労働者が期待することに合理性がある場合、希望に反した雇い止めをしない判例(雇止め法理)の法制化▽期間の定めを理由とする不合理な処遇の解消。▲

第3回「なんで有期雇用なん!?」集会のお知らせ(2012/02/23 最終更新)

「なんで有期雇用なん!?」the 3rd @京都精華大
~3年の壁をぶち壊す非正規労働者の乱~

■日時 2012年2月25日(土) 13:00~16:30(12:30開場)
■会場 京都精華大学 明窓館M-104
【京都精華大学へのアクセス】
①京都市営地下鉄烏丸線「国際会館」駅より、スクールバスで約5分(土曜日は約10分間隔で運行しています)。
②叡山電鉄鞍馬線「京都精華大前」駅下車、徒歩すぐ。
*くわしくは[[こちら]]をご参照ください。
■参加費:500円(資料代込み)
■集会内容
◇現場報告(龍谷大学・京都精華大学・大阪大学 etc.)
◇模擬団交(本集会の目玉企画! 興奮必至!?)
◇ゲスト発言・アピール(「官製ワーキングプア」問題など)
◇ビデオ上映(当日のお楽しみ!)
◇有期雇用法制に関するレクチャー(塩見卓也弁護士に解説していただきます)
◇集会アピール採択(アピール文は鋭意制作中です)

デモと交流会
◆集会終了後、叡山電鉄で「出町柳」に移動し、駅前から京都大学正門までデモ行進します(17:30集合/17:40スタートで30分ほどの予定 ★→くわしくは[こちら]をご覧ください)。参加されるかたはプラカードなどをご準備ください。
◆18:30頃から、京都大学構内の「文学部学生控室」で交流会を行ないます。軽食と飲み物を用意します。参加費は1000円+カンパです。

【主催】「大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会」実行委員会
     Mail: nandenan0227[at]gmail.com *[at]→@
【呼びかけ団体】京都大学時間雇用職員組合 ユニオンエクスタシー / 関西単一労働組合 大阪大学分会 / 関西非正規等労働組合 ユニオンぼちぼち / 京都精華大学 ユニオンSocoSoco / 関西圏大学非常勤講師組合 / 大学をどうするか!共に考える全学大討論会実行委員会(大阪大学) / アルバイト・派遣・パート関西労働組合 / なんで有期雇用なん!?ネットワーク 龍大支部 / 嶋田ミカさんの雇用継続を求める会 [2012年2月1日現在]

★こちらもご覧ください!★
集会呼びかけ文
集会への賛同とカンパのお願い
集会チラシver.1
集会チラシver.2
デモについて