「ぷちレポート」No.3を刊行しました

2014年2月15日(土)に開催された第5回なんなん集会の報告集である、「ぷちレポート」No.3を刊行しました。

◆「大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会」実行委員会編 2014/12/20 「なんで有期雇用なん!? 第5回:じぇじぇじぇ、今度は10年!!――なんで雇用に上限つけるの?」(ぷちレポート No.3),「大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会」実行委員会,4p.


【目次】
p.1|大阪の中心部でアピールしたぞ!! なんなん5th報告
p.2|労契法をめぐる首都圏大学非常勤講師組合の現状
p.3|シンポジウム:大学の変質――法人化10年の闇を暴く
p.4|極悪大学阪大との闘い(大阪大学刑事告訴の現状と「2017年3学期制導入」問題 / 2015年3月末解雇阻止の闘い)

★ダウンロードは→【こちら】から(PDF)

今回も、小冊子ながら読み応えのある内容に仕上がりました。
ぜひご一覧ください。

第5回「なんで有期雇用なん!?」集会:集会アピール文

【第5回「なんで有期雇用なん!?」集会】
じぇじぇじぇ、今度は10年!!――なんで雇用に上限つけるの?

◆集会アピール文:「辞める辞めないは労働者の自由」

2014年2月15日

 私たちは2010年から5回にわたり、この「なんで有期雇用なん!?」集会を開催し、仕事があるのに「契約満了」を理由に雇い止めされることの理不尽さや、そのように平気で人を使い捨てにする大学の姿勢に対して異議申し立てを行なってきました。この間、私たちの労働環境は、悪化の一途をたどっています。派遣の無期限化、限定正社員、解雇特区など、雇用の規制緩和が国策として推進され、「5年を超えたら無期雇用に転換する」という改正労働契約法の原則も、5年を10年に先延ばしする「研究開発力強化法」の成立によってなしくずしにされました。現在は研究者に限られているこの10年への延長も、すべての非正規労働者に拡大されようとしています。

 大学における有期雇用は、非常勤の教職員のみならず、助教や准教授にまで広がっています。細切れの雇用形態がトレンドとして全面化し、いまや大学は、私企業の論理が貫徹する場所となっています。学長選挙の廃止など大学自治は脅かされ、学生は就職プレッシャーに押し潰され、もはや大学は、人を育てる場所でも、腰をすえて何かをやる場所でもなくなってしまいました。つい昨年、東北大学が「ブラック企業大賞」にノミネートされたのは記憶に新しいところです。

 また大学が、女性差別の温床であるという事態も、何ら変わっていません。大学の非常勤職員のほとんどは女性であり、「家計補助的労働」の名のもとに、長年にわたって不当に低い待遇を押しつけられてきました。現在、ほとんどの大学は「男女共同参画」を高らかにうたっていますが、その施策の対象はほぼ女性研究者に限定されたものであり、大学カーストの底辺に置かれた女性の非常勤職員については一顧だにしていません(むろん、女性研究者の状況が改善されたわけでもなく、同じく底辺に置かれたままです)。また、これに抵抗するはずの労働組合も、多くは常勤の男性が中心となって運営されているのが現状です。

 しかし、このような状況の中でも、約1000人の雇用上限撤廃を実現した徳島大学の運動は、画期的なものでした。特に、正規と非正規との分断を乗り越えて、共に闘うことで得た成果は、私たちに大きな勇気を与えてくれました。私たち「なんなん」グループの闘いにより、龍谷大学でも有期雇用を廃止しようという動きが出てきています。大学から有期雇用をなくすことは、決して無理な夢物語ではないのです。

 言うまでもなく、雇用契約は無期が原則であり、本来、働き続けることも、辞めることも、労働者の自由であるはずです。なぜなら、働くことは憲法によって私たちに保障された権利であるからです。この権利が一方的に踏みにじられ、奪われることに、私たちは強く抗議します。

 「あきらめる前に、大学の枠を超えて連帯しよう」を合言葉に、私たちは今年もまたこうして集い、共に力を合わせて闘うことの意義を再確認しました。この異議申し立ての声が一人でも多くの人に届き、やがては大きな運動の力となることを、心から願ってやみません。

「大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会」実行委員会

報告と御礼

2月15日(土)に開催しました、第5回「なんで有期雇用なん!?」集会「じぇじぇじぇ、今度は10年!!――なんで雇用に上限つけるの?」(於:大阪市立大学梅田サテライト)は、80名の方々にご来場いただき、熱気にあふれたすばらしい集会となりました。集会後のデモと交流会にも大勢のかたが参加してくださいました。参加されたみなさま、 メッセージを送ってくださったみなさま、本当にありがとうございました!

集会の詳細は、追って簡単な報告集([参考]→第4回集会の「ぷちレポート」)を作成するなどして記録に残し、広く知ってもらえるようにしたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。